
みなさんは、スウィングキッズというカルチャーをご存じですか?
スウィングキッズは1930~40年代にドイツで隆盛した若者文化で、現代のストリートカルチャーの源流ともいわれています。
この記事では、スウィングキッズの起こった背景や歴史、ファッションの特徴を解説していきます。
この記事は、こんなあなたにオススメ
- 昔のストリートカルチャーを知りたい
- ドイツのファッションについて知りたい
- ファッションと歴史の関係について知りたい
ファッションに興味のある方はもちろん、歴史が好きな方も是非参考にしてください。
スウィングキッズとは?
スウィングキッズの基本的な概要は以下の通りです。
発祥 | ドイツ(ハンブルク) |
年代 | 1930年代~40年代 |
特徴 | ツイードのジャケット、長い髪 |
スウィングキッズは、ナチスの統治下のドイツ、ハンブルクで起こった文化です。
ナチスの排他的な独裁体制に反抗するカウンターカルチャーとして、第二次世界大戦が終わる1945年まで続きました。
「スウィングキッズ」という名前は、当時、アメリカで流行していた「スウィング・ジャズ」から取られました。
スウィングキッズの歴史・背景
スウィングキッズは、前述の通り、1930年代のナチス政権下のドイツ、ハンブルクで若者たちを中心に起こりました。
この若者たちは、敵国であるアメリカ発祥の音楽「スウィング・ジャズ」を好んで聞いていました。
選民思想であったナチス政権では、ドイツの民族音楽や、戦う気持ちを高めるための軍歌が進められており、外国人の音楽が排斥されていったのです。
アフリカ系アメリカ人のカルチャーであるジャズも同様に、社会から排除されていきました。
しかし、一部の若者たちは、こういった社会の流れに反抗することを決めたのです。
そうして、徐々に勢力を増したスウィングキッズ達は、終戦を迎える日まで、国に反抗していくのです。
ハンブルクなどの港町では、海外の船が頻繁に出入りするため、そこに住む若者たちは海外の文化を取り入れることができます。
そこに、「社会」や「大人」の「弾圧」が加わることで、若者たちの反抗文化(カウンターカルチャー)が生まれます。
スウィングキッズのファッションの特徴
映画からの影響
スウィングキッズ(に限らず、当時の若者のほとんど)たちは、映画のスターをファッションの師匠としていました。
具体的には、以下の通り。
- 『犯罪王リコ』/1931年製作/70分/アメリカ
- 『民衆の敵』/1931年製作/83分/アメリカ
- 『暗黒街の顔役』/1931年製作/90分/アメリカ
彼らは、アメリカ映画のギャングスターのスタイルをまねていました。
スウィングキッズのファッションアイテムたち
スウィングキッズの男性は、ダブルブレストのツイードジャケットを愛用し、その上にゆったりとしたトレンチコートを着用し、「男らしさ」を演出していました。
短く刈り込んだ大人たちとは対照的に、髪を長く伸ばしており、特徴的なその髪は「鞭(ウィップ)」と呼ばれていました。
一方、女性は、身体のシルエットがわかる、タイトなドレスやセーターを好んで着用していました。
ナチス政権は、薄いメイクが女性の魅力を引き立たせるとして、今で言うナチュラルメイクを推奨していましたが、彼女らは、派手なメイクをすることで、社会への反抗を表現していました。
映画『スウィング・キッズ』について
1993年にアメリカで制作された映画『スウィング・キッズ』は、タイトルの通りスウィングキッズをフォーカスした作品です。
見たことがあるという方も、時代背景やファッションに注目すると、新たな楽しみが生まれるかもしれません。
興味のある方は、ぜひご覧ください。
まとめ
スウィングキッズは、ナチス政権下の抑圧された社会に反抗したカウンターカルチャーです。
昨今でも人気の「ヒッピー」や「モッズ」といった流れの源流がドイツということが驚きですね。
これからも、カウンターカルチャー・ストリートカルチャーについて解説していきます。
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